論文査読の陥穽

研究論文はピアレビューによってその質が保証されるというのが一般的です。しかし、驚くべきことが起きていました。

SAGE社の出版する雑誌で60本の論文撤回 1人の著者が複数の別名を使って自分の投稿論文を自分で査読

内容がどうのこうのとことではなく、査読をごまかしたというわけです。最近は、投稿論文の査読をオンラインで行うことが多いことから、起きたことだということでしょうか。SAGE社は more than 700 journals and over 800 books を刊行しているとのことです。論文誌ごとに査読者候補のリストを作っているでしょうから、そこに、たくさん偽名で登録をしておいて、自らの論文を「査読」したということでしょう。

以前に、論文の「自動生成」の話題について書いたことがあります。

ピアレビューの陥穽

まったく、あきれたことが起こるものです。

これらは、そもそも、論文数による業績評価が行われて、実質的な内容が確認されないといった場面があるからということかも知れません。科学的に注目すべき成果の発表ということならば、当然に、その内容が議論されることはこの半年間の騒動で分かることです。しかし、アカデミックなポジションを得たり、あるいはポジションを維持しようとするときには、まずは「論文数」ということに目が行きがちでしょう。とくに、馴染みのない学術分野だとその内容に立ち入って精査できませんので、そのようになりがちです。このあたりのことを書いたこともあります。

科学者倫理に思うこと

「生涯論文数」について

学術界がこれらのことを真摯に考えて、自律的に糺して行くことが必要でしょう。

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