研究公正局と博士学位取消し

最近、参議院で議員から「研究公正局」の設置に関する質問主意書が提出されたことと、早稲田大学で博士の学位の取消しがあったことを知りました。

このたびの質問主意書は、9月26日付け文科省の「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」の中間とりまとめに関するもので、10月25日に答弁があったとのことです。文科省のとりまとめについては「文科省の『研究不正に向けた取組』について(追記)」で意見を述べました。

学位の取消しについては、10月21日に公表されていますが、「不正の方法により学位の授与を受けた」という理由です。早稲田大学では初めてということですが、東大での学位授与の取消しについて、3年9ヶ月前に「知を窃(ぬす)んで地に落とす」を書いて以来、気になっていたことです。

「自律的な学術公正性の確保に向けて」で書いたように、いま、学術界で考えるべきは、「研究不正」のことだけではなく、より広く「学術不正」への自律的な行動だと思います。研究費の不正使用や研究論文の捏造といった「研究不正」だけではなく、学位授与に関わる問題にも真摯に対応する必要があります。学位を授与することができる機関において、適切な審査が行われなければ、わが国の学位の国際的な信頼性も損なわれます。

わが国の大学における「グローバル人材育成」や「大学の国際化」が話題となる一方で、海外からわが国の大学の根幹に関わる学位の国際的通用性に疑念を抱かれるようなことがあってはなりません。「研究公正性」だけではなく「学術公正性」に目を向けるべきだというのは、こういう思いからです。

また、「公正性」は、まず、学術界において自律的に確保すべきで、「学術警察」は望むものではありません。学術界が真摯に社会に向けて信頼されるような対応をすべきです。自らも行動すべきだと思っています。

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