研究者の兼業・兼職について

大学等に所属する研究者は、ときに、外部の組織から依頼を受けて、審議会や委員会の委員に就くことがあります。また、大学の非常勤講師といった形で教育に携わる兼職をすることもあるでしょう。日本学術会議の会員は非常勤の国家公務員として発令されますが、あくまでも個人としての立場で任命されるものです。一般に、研究者が外部の組織の委員として委嘱されるときにはそれぞれの専門的な見解を述べることが期待されていて、自らが所属する組織とは独立の立場であるといえるでしょう。

大学等においては、教員等がそのような審議会や委員会、あるいは日本学術会議の会員等に委嘱を受けたときには、その活動が本務にとって有用だと判断される場合には、一定の条件の下で「兼業」、あるいは「兼職」として認めることにしています。あくまでも、本務に影響がない範囲内での活動です。大学教員には、一般に、他大学等の非常勤講師の依頼もありますが、これも同じです。

このように委嘱される研究者の兼業先では、あくまでも個人の見識のもとで意見を表明するのが基本です。所属する組織を代表して意見を述べる立場にはありませんし、むしろ、職務上の立場を反映させた意見を述べることは兼業・兼職として許可できないでしょう。日本学術会議でも、会員として意見を表明することは、あくまでも個人の責任の下で行うべきことであり、決して組織を代表するものではありません。

兼業・兼職として務めるときに、本務や所属組織の意見を反映させようというのはおかしいことです。組織の役職にある者はとくに留意すべきでしょう。当然のことながら、このことは分かっているはずですが、ときにそうでもないことに出会います。また、場合によっては、「人格は一つだから」ということで、本務や兼業において見境のない行動をとるようなこともときに見受けられます。このようなことは、いずれも、学術界における利益相反にもつながりかねません。学術界では気づかないのか、あるいは、あえてそういう指摘を避けようとしているのか分かりません。当事者は自らの意見表明の責任を組織に転嫁することにしているかも知れませんし、結果的に兼務によって所属組織に利便を図ることになるかも知れません。兼務・兼職にあたっては、このようなことがないように厳に戒めるべきだといえます。

Blogでの意見の表明も同じです。所属する本務先や日本学術会議の意見を代表するものではありません。プロフィールには表示していない審議会や委員会の委嘱も受けておりますが、そこでも、個人としての意見の表明をしています。

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