「学術」とは?

以前に「Scienceは「理科」?「科学」?」という話題で私見を述べたことがあります。また、日本学術会議も話題にしたことがあります。

“Science” の日本語訳のことを言っておきながら、「学術」を英語でどう表現するのか、私には分かっていないことに気づきました。日本学術会議の英語名は “Science Council of Japan” です。

「学術」ということばは、[広辞苑 第四版]には

①学問と芸術。
②学問にその応用方面を含めていう語。「―雑誌」

とあります。また、[岩波国語辞典第六版]には、

学問。「―雑誌」「―論文」#学問と芸術、または学問と技術とをふくめて言うこともある。

と書かれていて、「学問と芸術」あるいは「学問と技術」と明示してあります。「学問と○術」を簡潔に「学術」にした感じがするのですが、どうでしょうか。要は、「学」の「術(すべ)」ということでしょう。とはいっても、「すべ」というのはまた、含みのあることばだと思います。

さて、「学術」に対応する英語はどうかというと、[研究社 新英和・和英中辞典]

science; 〈学識〉 learning; scholarship 《★英語に「学術」にぴったり当てはまることばはない》

のように、ピッタリとしたことばがないと書いてあります。

たしかに、日本学術会議はわが国を代表するアカデミーとして国際的な学術団体として位置づけられていますが、多くのアカデミーではカバーしていない「人文・社会科学」分野を含んでいるという特徴があります。現在の日本学術会議は3部から構成されていて、第一部(人文・社会科学)、第二部(生命科学)、第三部(理学・工学)がそれぞれ1/3を担っています。詳しくは学術会議のホームページ

http://www.scj.go.jp/

を参照していただきたいと思います。人文・社会科学を含めている “Science Academy” は、国際的にも特徴的ですが、国際規模の課題の解決に学問が対峙するためにも、最近はむしろ日本学術会議のようなアカデミーの形が評価されていると思います。

つまり、「学術」というのは、狭義の(自然科学)を指す “Science” ではなく、人文・社会の分野、および工学分野をも含む「学問と○術」を包括的に表していることばだと理解してよいのではないでしょうか。これが、日本学術会議の英語名にあるように、”Science” のあらたな概念になるのではないかと期待しています。

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